アシックスの厚底ランニングシューズ『マジックスピード3』をご紹介いたします。実際に履いて色々なペースで走ってのレビューとなりますのでぜひ参考に見てください。
2022年9月に発売されたマジックスピード2から、約1年(2023年9月14日から一般店舗での販売開始)で発売となったマジックスピード3。
人気のあった前作からどう進化したのか、そして、同じくアシックスのS4との違いも含めてお伝えしていきたいと思います。
今作も初めて厚底ランニングシューズを購入したい、記録も狙っていきたいという方にもおすすめの一足となりました。
前作のマジックスピード2、サブ4向けシューズのS4の両方を履いてきた私がその比較も含めてご紹介していきたいと思います。
マジックスピード3
アシックスから発売されている『マジックスピード3』は、厚底初心者からサブスリーランナー(それより速いランナー)にもおススメのランニングシューズとなります。
まずは公式なデータから見ていきます
ミッドソール厚み 前足部:24mm
後足部:31mm
(アウトソールなどの厚さも含めると29mm・36mmとなります)
ミッドソール素材 FF BLAST PLUS
価格 : 16,500円(税込)
重量 : 約220g(27.0cm 片足重量)
サイズ感・重さ
サイズ感
マジックスピード2、S4も所持していますが、マジックスピード3も含め全て同じ26.5cmとなり、通常のサイズ感となります。
それぞれ、多少圧迫感が異なってきます。
その差を感じさせる原因の一つはアッパー素材にあります。
メタスピード、メタスピード+シリーズも所持していますが、こちらも同様
メタスピードスカイ・マジックスピード2はエンジニアードメッシュ
メタスピードスカイ+(エッジ+)・S4・マジックスピード3はモーションラップアッパー
このモーションラップアッパーの方が伸びにくい素材なので少しきつく感じるようです。
上記の2つよりも下記の3つの方がタイトに感じます。
重さ
マジックスピード3の片足重量は212.5g(26.5cm)でした。※個体差はあります
前作のマジックスピード2の計測は222.0g(26.5cm)でした。9.5gの減量となりました。
マジックスピード2でも重さを感じませんでしたが、更に軽くなることで足回りが良くなりました。
使用感・実走レビュー
マジックスピード3を実際に履いてトレーニングをした感想をお伝えします。
トレーニングとしては、「ジョグ」「閾値走」「タイムトライアル」「レース」で使用しました。今後、「ペース走」でも使用していく予定です。
マジックスピード2との違い
接地感が柔らかくなった
マジックスピード2は履いた際に硬さを感じていました。
私はそこだけが気になっていたのですが、マジックスピード3ではそれがなくなり履きやすくなりました。
クッション性アップ
前作と比べると沈み込む感覚が少しあり、データ上では同じ厚さがあるはずなのですが、やや薄さを感じます。
衝撃はしっかりと吸収してくれるので地面からくるダメージも抑えてくれる感覚です。
安定性はやや減少
マジックスピード3はカーボンプレートの下部のミッドソールが『FLYTE FOAM』から『FF BLAST PLUS』に変更されたため、かかとの安定性はマジックスピード2より、やや落ちた感覚です。
それでも、大きなぐらつきはないので、安定した走りを実現しています。
グリップ力の高さ
前作から変わらず、マジックスピード3にもメタスピードシリーズと同じ『アシックスグリップ(ASICS GRIP)』が採用されています。
グリップ力の高さは雨の日や滑りやすい路面でも力を発揮できます。前作のマジックスピード2も既に800km(ほとんどがポイント練習)走りましたが、アシックスグリップはまだ力を発揮してくれます。
やや、アウトソールの形状に変更がありました。
前足部の小指側がカットされ、逆に中央付近の内側はプラスされました。
前足部の小指側にも体重を乗せて走る私にはカットしないでほしい部位でもありますが、今のところ大きな影響はないので、今後も注意してみていきたいと思います。
スピードが出しやすい
マジックスピード2やS4もスピードの出しやすさはありました。
前足部(フォアフット)でしっかり踏み込むことでより、反発が得られる作りになっていました。(前足部により多くの高反発素材が使われている為)
しかし、マジックスピード3は前足部に限らず踵部まで高反発素材が使用されているのでどこでついても反発が得られます。
更につま先にかけて大きくカーブしている為にコロンと転がり、自然な足離れを実現しています。
立っている時につま先に体重を移動すると勢いよくつま先側に移動します。この時は違和感がありました。
これが、ランニング時には自然に移動できる。
走っている時に最適になるように作られているんだなと感じました。
これは足を回転させやすく、ピッチを上げるのに役立ちます。
これらの作りがスピードの出しやすさを実現しています。
高い安定性
安定性を高めている要因は、
①かかと部の肉厚クッション
②伸びると素早く縮む特性を持つモーションラップアッパー
これら2つの構造がホールド感を高めてくれ、高い安定性を実現しています。
私の感覚ですが、立ち止まっている時は特にアッパーによるきつさを感じます。
しかし、走っている時は特に気にならないので、ワンサイズアップはせずに通常サイズを選択しています。
踏み込んだ時にモーションラップアッパーが伸びて、足が離れる時には縮んでフィットする設計なのかもしれません。
個人差はあると思いますので、足の側部が窮屈なのが嫌いな方はワンサイズアップすることやワイドサイズも選択肢の一つとしてありだと思います。
レースでの使用感
マジックスピード3をレースで使用することを考えている人も多いと思います。
レースで使用できるのか、試してみました。
ハーフマラソン
2023年10月1日に開催された『東日本ハーフマラソン』でレースに初投入!
90km程、練習で慣らしてからのレース使用となりました。
陸橋を4回上り下り&緩やかな坂のあるコース。
スタート前の気温は放送で27.8度と言っていました。
その中でのマジックスピード3の走りは最高でした!
結果は1:22’15 (3’54/km)
今年の1月に別大会にメタスピードスカイ+でハーフを走った時に1:21’43でしたので、それに匹敵する走りができました。
特に意識することなくスピードを維持でき、走っていて不安&不満なところはありませんでした。
前傾を意識して前足部に体重をかけるとよりスピードを出せますが、今の自分には心肺機能がついていきませんでした。
まだまだ、速く走れそうです。
マジックスピード3はフルマラソンにも使用できる
2023年10月29日に開催された『横浜マラソン』で使用しました。
タイミング悪く、レース2週間前から持病が出てしまい、直前1週間は走ることができませんでした。
そんな中でのフルマラソンは初めてでしたが、マジックスピード3のおかげもあり無事完走することができました。
痛みが出ないように脚を温存しながらの走りとなりましたが、マジックスピード3の反発力のおかげで思っていた以上にスピードも出て、ハーフ通過は1:27’52。
高速道路で風の影響を受けたこともあり後半ペースは落ちましたが、途中棄権も視野に入れていたレースだったのに3:09’15でゴールすることができました。
マジックスピード3はフルマラソンにも使えるシューズだとしっかり証明できたと思います。
耐久性・寿命
耐久性や寿命はとても気になるポイントだと思います。
マジックスピード3の耐久性はどうでしょうか?
ちなみに前作のマジックスピード2は800km走っていますが、一部のアウトソールの擦り減り&アッパーがわずかにダメージを受けている所です。
アッパーは別素材になったので参考になりませんが、まだ練習で使用できるレベルを保っています。
マジックスピード3の耐久性にも期待しつつ、しっかり履き続けたいと思います。
100km経過
100km走った感想です。
走り始めから足に馴染み、気持ちよく走れました。
アッパー、アウトソールには大きな消耗は見られません。
ミッドソールのシワは少し出ますが、反発やクッション性には問題ないレベルです。
白が基調なので少し汚れは目立つと思いますので、気になる方はこまめに洗っていただくか、別カラーを選ぶのも良いかなと思います。
スピードも出て、軽いシューズなので色々なトレーニングでも使用していきたいと思います。
前作同様、耐久性にも期待しつつ、どんどん履いていく予定です!
200km経過
200km走った感想です。
アッパー、ミッドソールの大きな消耗は見られません。
しかし、雨の中を走ったこともあり、アッパーの汚れが少し目立ってきました。
アウトソールは左足(写真上部)のつま先と左右の踵の外側が少しすれて溝がなくなってしまっている所が少しある程度。
まだ特に問題のない範囲です。
フルマラソンでも反発&グリップ力をしっかりと発揮してくれました!
300km経過
アッパー、ミッドソールともに前回と変わらず、大きな消耗は見られません。
前回、アッパーの汚れが気になっていましたが、洗ったら結構汚れも落ちてあまり気にならなくなりました。
白いシューズは汚れが目立つので、たまに洗うことをお勧めします。
アウトソールは赤丸の場所の擦り減りが少し広がってきましたが、まだ特に問題のないレベルです。
ハーフマラソン、フルマラソン1本ずつ走った後は、ポイント練習での使用がメインとなってきています。閾値走、インターバルなどスピード系の練習もしっかり設定通り走れ、まだまだ力を発揮してくれています。
400km経過
マジックスピード3も400kmを経過しました。
このくらいを経過すると新品と比べると性能も落ちてくるのは当然ですが、単独練習でも10kmのレースペースで6kmを走ることも問題なくできました。
まだまだ、現役のポイント練習シューズとして活躍してくれそうです。
もちろん、レースでの使用も可能なレベルです。
500km経過
アッパーのダメージはまだありません。
ミッドソールにはシワがだいぶ出てきていますが、程よいクッショニングでまだポイント練習(スピード系)で力を発揮してくれています。
アウトソールの減りはランニングフォームによるところも大きく関係してきますが、500km経過でまだミッドソールが見えるほどの削れはありません。
ちなみに私はフラット着地を心掛けています。
これからも、耐久性がどれくらいあるか経過を随時報告させていただきます。
まとめ
前作よりクッション感が増したり、前足部の転がりが強くなりました。
今回の改良で、安定性は少し落ちましたが、よりスピードは出しやすいシューズとなりました。
マジックスピード3は安定性も確保しながら、スピードを上げやすいシューズなので、初めて履く厚底カーボンシューズにもおすすめできます。
より走るのが楽しくなるシューズの1つとなるでしょう。
普段のランニングに利用するのはもちろん、サブ4、サブ3.5、サブ3など狙えるレースシューズとしてもおすすめできます。
サブ3以上でもっと速く走りたいのであれば、メタスピードシリーズをおすすめしますが、コストパフォーマンスの良いマジックスピード3でも十分サブ3も狙えると思います。
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