アシックスの厚底ランニングシューズ『S4(エスフォー)』をご紹介いたします。実際に履いて色々なペースで走ってのレビューとなりますのでぜひ参考に見てください。
S4(エスフォー)はサブ4を目指すランナーに向けて作られたレースシューズとなります。
機能・素材・デザインはメタスピードシリーズから色濃く引き継いでいます。
メタスピードシリーズから更に安定性を高め、マジックスピード2よりもより反発性を高めたシューズとなります。今までの厚底カーボンシューズをうまく履きこなせていないという方にもおすすめの一足です。
S4(エスフォー)
アシックスから発売されている『S4(エスフォー)』は、サブ4を目指している中級者向けのランニングシューズとなります。同じくサブ4向けであるアシックスの「マジックスピード2」との比較もレビューしていきます。
まずは公式なデータから見ていきます。
ミッドソール厚み 前足部:28mm
後足部:34mm
ミッドソール素材 FF BLAST TURBO/FLYTEFOAM
価格 : 22,000円(税込)
重量 : 約240g (27.0cm 片足重量)
S4の4つのSとは
Speed, Stability, Safety, Sub 4 の4つのSにこだわったアシックスの厚底カーボンシューズとなります。
同じサブ4向けのマジックスピード2の上位版とも言えますし、メタスピードシリーズをより万人向けにしたシューズとも言えるでしょう。
マジックスピード2よりも反発性をアップ、
メタスピードシリーズよりも安定性アップ・かかと着地の人にも安心して履ける厚底カーボンシューズといったイメージですね。
サイズ感・重さ
サイズ感
マジックスピード2、メタスピードスカイ、メタスピードスカイ+も所持していますが、全て同じ26.5cmとなり、通常のサイズ感となります。今回のS4も同じく26.5cmで問題ありませんでした。
30km走で走ってみましたが、特にきつさや当たる感じもなくマメなどもできていませんでした。
重さ(重量)
S4(エスフォー)の片足重量は221.5g(26.5cm)でした。※個体差はあります
マジックスピード2は222.0g(26.5cm)だったので、ほぼ同じ重さになります。
公式発表でナイキのズームフライ5は272g(27.0cm)、S4は同サイズで240gとなっています。比較するととても軽いシューズとなります。
手で持った感覚はメタスピードシリーズと比べると重さに違いを感じますが、履いた時の重さは気になりませんでした。
使用感・実走レビュー
S4(エスフォー)を実際に履いてトレーニングをした感想をお伝えします。
マジックスピード2やメタスピードシリーズとの比較もしていきたいと思います。
トレーニングとしては、「ジョグ」「ビルドアップ」「ロング走(30km走)」など色々なスピードや距離で使用しています。
しっかりとした厚底感
S4(エスフォー)に初めて足を通して乗り込んだ瞬間、『これはいい!』と感じました。
マジックスピード2と比較すると厚みも3~4mm増え、履き心地は全くの別物です。
メタスピードスカイとは厚みはほぼ同じなのですが、S4の方が厚みを感じました。
ミッドソールの下部にFLYTEFOAMが使用されている為に、沈み込みが減っているからだと思います。
反発性と安定性
S4(エスフォー)は反発性と安定性が融合したシューズだと感じました。
前足部に多くのFF BLAST TURBO(アシックスの最上位反発素材)が、後足部に安定性のあるFLYTEFOAMが多く使用されています。
上記の構造の為、前足部にしっかり乗り込めば、しっかりと反発を得ることができます。
また、かかと着地の人の場合は、ぐらつきを抑え接地し、その後安定して前足部に体重を移動することができます。
マジックスピード2の時も同じような構造でしたが、厚みが増したことやより反発の高い素材に変わったことで、更にパワーアップしたイメージです。
メタスピードスカイよりは反発は弱いものの十分な反発力だと思います。
グリップ力は更に向上
S4(エスフォー)のアウトソール素材は、メタスピードシリーズ、マジックスピード2と同じく『アシックスグリップ(ASICS GRIP)』が採用されています。
S4が違うところは、より広範囲にアウトソールが使用されていること。
メタスピードスカイのアウトソールに近いのですが、更にかかと部分にも追加されました。
これにより、かかと着地の人も安心して使用できると思います。
足裏全体で着く瞬間もアウトソールの面積が広いので安定性もアップしました。
上部がメタスピードスカイ、下部がマジックスピード2になります。
かかと着地の人にもおすすめ
上の項目の写真の通り、かかとにもしっかりアウトソールがある為に、かかとから着いた際のシューズへのダメージを減らすことができます。
アシックスのメタスピードシリーズやナイキのヴェイパーフライなども含め、スピード系のシューズにはかかと部を全体的にカバーしていないケースが多いと感じます。
シューズのかかと部がすぐ削れてしまって、履けなくなってしまう人にも試していただきたいシューズとなります。
シューレースは短め?
S4(エスフォー)のシューレースはメタスピードスカイ+・エッジ+と同じものが使用され、ほどけにくいものとなっております。
私は、よりほどけにくくする為に二度結びをしているのですが、少しだけ短い感じがします。
問題があるレベルではありません。
アッパー、シュータン、シューレースとメタスピードスカイ+と同じ素材となっているので、色は違いますが見た目もとても似ています。シューレース自体の長さも一緒の気がします。
アッパーとかが足に馴染んでくるとその状況も変わってくるかもしれません。シューレースの長さも気にならなくなると思うので今後も楽しみにしています。
レースでの使用感
フルマラソン
アシックス S4のレースでの初使用は2023年4月16日に開催された『かすみがうらマラソン2023』でした。
レース前に100km以上履き慣らしての使用となります。
前半のアップダウンのある中、4’07/kmで走り、気温が高く難しいレースとなり終盤は脱水症状の為にペースを落とすというレース展開となりました。
記録は3:11’48
もう一度、条件の整ったところでレースを走りたいと思いますが、シューズの性能自体はとても良く自然とペースが上がりました。
レースレビューはこちら↓
耐久性・寿命
厚底カーボンシューズは寿命が短いイメージがまだまだあります。
では、S4(エスフォー)の耐久性はどうでしょうか?
現在履いているマジックスピード2・メタスピードシリーズの耐久性は高いと感じていますので、同じ素材を使用していますので期待しています。
30km走で使用したくらいでは、もちろんほぼ新品と変わりません。
ランニングフォームにより、消耗度合いは変わると思いますが参考にしていただけたらと思います。
100km経過
100km走った感想です。
30km走や閾値走、ペース走などで使用してきました。
100kmではもちろん、ダメージはほぼありません。
アウトソールの大きな消耗は見られませんでした。
アッパー・ミッドソールも大きな変化はなく、見た目も新品そのもの。ミッドソールもまだ潰れている様子もなく、シワもほとんど気にならない程度。
今後、どれくらいまで走れるか楽しみです。
今後は、タイムトライアルやレースにも使用していこうと思います。
200km経過
200kmまでの間にフルマラソンも走りましたが、アッパー、ミッドソールも大きな変化はなく、アウトソールはやや溝の減りが出てきたくらいです。
S4の200km経過時は16kmペース走でした。
ペースも3’55~4’00/kmで楽に安定した走りができました。
反発も衰えた感じもなく、まだまだ力を発揮してくれそうです。
300km経過
やや汚れてきましたが、ダメージを受けている感じは特にありません。
反発もまだまだ健在で自然とスピードが出せています。
アシックス S4の耐久性はかなり高いと感じました。
300km走ってこの靴底の綺麗さ。
レースやタイムトライアル、ここぞという時の練習でのみ履いているので消耗は激しいと思いますが、アウトソールの溝がなくなっている所が一部あるだけ。
今後にも期待ができるシューズの1つです。
400km経過
S4の400km経過の時の練習メニューは閾値走5kmでした。
まだスピードも出しても問題なし。
レースに使用できる性能もキープできています。
アッパー、ミッドソール、アウトソールも前回とほぼ変わりありません。
また、500km、600kmと使っていく中でどう変化していくかも随時報告させていただきます。
まとめ
S4(エスフォー)は最上位モデルのメタスピードシリーズ(こちらも元々安定性は高い)をより安定させ、より多くの人が履きこなせるシューズとなっています。
スペック的にはサブ3.5や、サブ3も狙えるシューズと感じました。
S4でサブ4を達成した後も引き続き履いて、更に上の記録も目指せると思います。
構造の似ているマジックスピード2をトレーニング用にして、S4をレース用にという使い方も良いと思いますし、
サブ4のレースペースはもちろん、それ以上のペースでもスムーズに上げることができるのでスピード練習に使用するのもありですね。
走るのがより楽しくなるシューズでした。
今後もどんどん履いていきたいと思います。
現在の販売価格
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